GWに「iPhoneでできる病院DX」ということで社会医療法人石川記念会HITO病院の事例を読書しました。2022年4月に発売されており、読みたいと思いつつ読めてなかった本です。
場所は四国の愛媛県にある病院で下記のプロフィールになります。
項目 | 内容 |
---|---|
病院名 | 社会医療法人石川記念会 HITO病院 |
機能・役割 | 救急医療、4疾病対応病院、臨床研修病院 |
職員数 | 550人 (医師:45名(研修医を含む)/看護師:230名/薬剤師:14名/リハビリ職:80名 ほか) |
病床数 | 257床 (急性期一般入院料1 115床、HCU12床、SCU6床、感染病床4床、地域包括ケア病棟53床、緩和ケア病棟17床、回復期リハビリテーション病棟50床) |
Google Mapをみるとこのあたりです。愛媛といっても高松にも近く大きいですね。
四国(徳島・高知・愛媛・香川)では257床という規模はTOP50にこそ入りませんが、JMAPなどで確認をすると62番目ということです。
職業柄企業理念というものはよく考えることがありますが、HITO病院の理念のくだりでは本当に理念の大切さを感じました。
– HITO病院のHPより引用
iPhoneの導入率はすごい
本書によるとiPhoneは480台。iPadをあわせると550台だそう。職員数は600人(上記データより書籍記載の人数は多い)なので、iPhoneだけで考えても80%近い職員が持っていることになる。毎日出勤をする訳ではないので、稼働している人数分あればいいのではと思うが、企業が会社員一人ひとりにくばる感覚に近い形でiPhoneを渡してることがわかる。
最初はAndroid端末で実証をはじめたようですが、最終的にはiPhoneで展開。今はそのまま広がってるとのこと。Androidは価格面などを考えるといいですが、個人的にもiPhoneの物持ちの良さなどを踏まえると、積極導入ならiPhoneなんだろうかと思う次第です。
コミュニケーションツールの幅のある使い方
個人的に面白いと思ったのはコミュニケーションツールが病院内で色々あるということです。なにも考えないでいるとLINEにしますかSlackにしますか?というようにどちらかを選びたくなるが、結局使い分けるが便利そうですね。
コミュニケーションツール | 提供会社 | 用途 |
---|---|---|
webEX | webEX | 病院DXにおける主要なコミュニケーションツール |
desknet’s NEO | NEO Japan | メール・個人のスケジュール管理、事務的な情報共有 |
NEWTONS Mobile2 | ソフトウェア・サービス | 電子カルテを参照・入力できるサービス。コミュニケーション機能もあり |
teams | Microsoft社 | 事務系・経営管理の部署で主に利用 |
Slack | Slack社 | 看護師向け学習アプリ・コミュニケーション支援 |
LINE works | LINE社 | 初期トライアル時に仕様した記載あり |
また、上記は院内コミュニケーションですが、院外コミュニケーション(地域包括ケア)としてはmoconaviを中心に進めてるそうです。
Newtons Mobile 2のような電子カルテ連携は便利にみえる
電子カルテ連携ができるとHISまわりの細かい情報を含めて対応ができるようになるので一段回上の取り組みができる。
また医師が外に持ち出しをした端末からもVPNを介して電子カルテが参照できるようになっており、このあたり利便性を高めるポイントになってそうだった。
・トーク内容のカルテ引用・共有
・電カルのリンク共有
・放射線画像表示
・血圧や体温などのバイタル情報入力
本トークなどは、すべて院内サーバに保管されてるようで、クラウドベースのものよりセキュリティが高いのもポイントとのこと。昨今の状況をみると内側に置いてること=安全とは言い切れない気がするが、電子カルテの取り扱いが可能となればコミュニケーションをするうえでの情報連携も比較的用意になると考えられます。
その他、カメラ連動やAmiVoiceの音声入力などがあるので非常に良さそうです。テルモなどはNFCをかざして測定結果をとることができるので、こういった便利さも期待が高まりそうです。
その他
下記項目は時間があるときに見ようかなと思った次第
病院向けVPNの利用について
・医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
電波とWi-Fiについて
電波環境協議会が作成している資料あり、なぜPHSからスマホに変えても大丈夫なんだっけという昔の記憶を振り返るようにしたい。
・医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引
・医療機関における電波利用促進委員会
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