2023年4月発表の「大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書」を読んで

全国医学部長院長会議(AJMC)から「大学病院における医師の働き方に関する調査研究報告書」が発表されています。報告書自体は2023年2月時点です。

いわゆる大学病院向けの集まりであり、会員大学は82大学（国立42大学、公立8大学、私立31大学、防衛1大学）に及びます。今回の報告書は81大学で実施ということで、とのことで抜けてるのは防衛大学でしょうか。

82大学の地域別内訳

地区別に分けるとやはり関東地区の大学が私立大学の数もあり一気に大きくなってますね。

医師の労働時間

院内の労働時間については90%以上(76大学/81大学)が確認できてるのに対して、兼業・副業の労働時間について把握できてるのは51大学のようです。このあたりは求められても難しいのかもしれません。

医師の労働時間の把握に利用する勤怠管理システムは、①Ｄｒ．ＪＯＹ勤怠管理システム、②TimePro-VGなどが挙げられていますが、その他が38.3%(31大学)にのぼっており、独自性のある勤怠管理が様々な形で導入されてるのだなと思った次第です。

なお、医療特化のDr.JOY勤怠システムは23病院とのことで、このあたりどのように広がるのか気になります。次点のTimePro-VGは7病院が導入しており、医療に特化してる会社ではないですが、東京女子医科大学との取り組みなどをみていると意外と柔軟に取り組みをしてくれてるのかもしれません。

個人的に気になったのは大学病院における人数と職位別の人数と労働時間の適用です。

合計医師数が44,183人中、2022年11月現在ではA水準が21,179(47%)、B水準が3,088(7%)、連携B水準10,852(24.6%)、C-1水準1,099(2.5%)、C-2水準 31(0.1%)、そして裁量労働制適用者が18%の7,934となってました。

また、教育面での影響についても議論が多かったのは大学病院ならではのポイントだと思いました。

付録がてら全国医学部大学一覧

備忘録がてら、一覧もまとめておきました。

近々東京医科歯科大学は東京科学大学にかわるんだろうなと思いつつ。一覧を作成しました。